１年生はこれまでの探究授業で「地域を知る」ことを目的に、まち歩きや自治センター訪問を行ってきました。２年生の地域創造探究の授業では、１年生の学びを活かして、自分の興味・関心や地域課題からテーマを設定し、生徒自ら地域へ飛び出し、学びを深める活動を行っていきます。

そのテーマ設定の準備として、1月29日（月）に石川町の方々にご協力いただき、地域人講話を開催する予定です。石川町の方々から事業の活動内容や取り組み、課題についての講話をいただきます。この講話を通して、生徒たちが「自分はどんなことに興味があるのか？」「どんなことをやってみたいと思うのか？」を見つけるきっかけとし、２年生の活動に繋げることを目的としています。

今回の授業では、地域人講話の実施に向けて、石川町出身・石川町役場企画商工課の南條さんにご来校いただき、石川町の課題についてお話しいただきました。

石川町には、どんな課題があるの？

南條さんからは、人口減少、農業・林業・医療など、分野ごとに課題をご紹介いただきました。

南條さんによると、石川町では2050年には人口が１万人を下回ると予想されているそうです。2000年から2015年の間に約4,000人が減っており、これは「この15年間で、現在の石川高校20校分もの人数が減っている」とのことでした。生徒たちは「そんなに減っているんだ…」と、人口減少のスピードと規模について、驚いている様子でした。

また、この人口減少により、農業従事者が減少、それに伴い、担い手不足問題や耕作放棄地の増加が懸念されています。耕作放棄地の増加は、農作業の生産効率の低下や害虫等の大量発生、ゴミの不法投棄の問題を引き起こすことが知られており、人口減少という課題は、連鎖的に他の課題にも影響を与えていることが分かりました。

南條さんからは石川町の課題についてだけでなく、「石川町の魅力」も紹介してくださいました。桜や温泉、鉱物、お菓子、石川牛の他にも、南條さんの推し魅力ポイントである惣徳寺の桜や、箱根駅伝や世界陸上の選手も走ったクロスカントリーコースの紹介もあり、生徒たちにとって、石川町の課題と魅力について知る機会となりました。

地域課題は、自分たちの生活にも影響がある？

様々な地域課題を知った生徒たちですが、どこか他人事のようです。
そこで南條さんから、一つの問いかけがありました。

「例えば、少子高齢化は高校生にどんな影響があると思いますか？」

生徒たちは「えー、影響あるかな？」「うーん、なんだろう？」
と最初は話していましたが、徐々に

「バスの運転手が少なくなってしまうと、バスの運行が難しくなっちゃうんじゃないかな？」
「高齢化が進んで、おじいちゃんやおばあちゃんの介護をしないといけなくなると、自分は部活動に参加できなくなってしまうかも」
「人口減少でお店が少なくなって、放課後に遊ぶ場所がなくなるかも？」

と、様々な意見が出てきました。

最初は他人事だった地域課題ですが、「よく考えると自分の身近なところに影響がある」と、だんだん自分事として捉えるようになっていました。最初はなんとなく聞いていた生徒たちも、徐々に真剣に聞く姿勢に変わっていきました。

地域人講話に向けて

生徒たちは石川町の課題について理解を深めた後、コーディネーターの川瀬さんから1月29日（月）の地域人講話の内容を説明をしてもらい、どの講話を聞くかを選びました。

地域人講話では、10事業者の方々に協力をしてもらう予定ですが、時間の関係で生徒が聞けるのは3つの講話です。

生徒たちは「どれも面白そうで迷う…」「もの作りが好きだから木工職人の話を聞きたいです」「食べ物が好きだから、農家の話を聞く！」「全部聞きたい！」と悩みながら、選んでいました。

また、保護者さんから介護職への就職を反対されているという生徒は「この機会に、実際に介護に関わっている人の話を聞き、自分の就職について考えたい」など、将来の職業と結びつけて、講話内容を選んでいる生徒もいました。

さいごに

生徒たちは、地域人講話でどんな話が聞けるのか、とても楽しみにしている様子でした。
石川町の課題について自分事にできたからこそ、地域人講話に向けても自分の興味関心や将来のことに紐付けて、選択できていたのかなと思います。
1月29日（月）はいよいよ地域人講話です！石川町の方々の話を聞いて、生徒たちがどんなことを考えるのか、どんな新しい興味関心の種が生まれるのか、とても楽しみです！