【高1地域創造探究】協働するってどんなこと?
前回の投稿でもお話させていただきましたが、県立石川高校の地域創造探究(以下、探究と表示)の授業時間は、先生と高校魅力化コーディネーターが協働しながら授業づくりを行なっています。
▼前回の投稿「2023年度の「総合的な探究の時間」の授業がスタートしました!」
高校1年生の授業では、「地域を知り、自分の興味関心はどんなものかを言葉にしていく」ことを目標にしています。
5月に街歩きを実施したあと、先生とコーディネーターで「生徒たちにどんなことを身につけてほしいか」を考える中で、「他者と協働する」ことを体感できる授業を実施しよう!となりました。
今回はクラスも男女もバラバラなグループで2つの活動に取り組みました。
目次:
・ペーパータワーに挑戦!〜仲間と協力して1番高いタワーを作るには〜
・グループワークに挑戦!〜5分間で、仲間と合意形成するには〜
・さいごに
ペーパータワーに挑戦!〜仲間と協力して1番高いタワーを作るには〜
みなさん、ペーパータワーって知っていますか?
ペーパータワーとは、紙を積み上げていき、制限時間内に最も紙を高く積み上げたグループが勝利するゲームです。ちなみに使えるのは「紙のみ」です!
今回の授業では、5分の作戦タイムを設け、続く5分でA4用紙のみを使ってどのグループが一番高く積み上げられるかを計測しました。
体育館に集まった生徒はまず場所取りからスタート。
作戦タイムでは1枚だけ触ることが許されており、その1枚を使っていろんな折り方を試していました。
本番では、用紙を三角形や四角形になるように折って土台を安定させたり、土台部分に足を6本作って安定させていたり、用紙自体に指を使って穴を開け、紙を通して一つ一つの足を強化させていたり。
足を折ってから一気に積み上げるグループや、作りながら積み上げるグループもいました。
時間が過ぎ、いよいよ計測!となったところで
「うわーー!」
と声が、、
体育館の扉が開いたことで風が通ってしまい、扉側で積んでいたグループのタワーが倒れてしまいました。。
上位を争うくらい高く積み上げられていたグループであったこともあり
「悔しい、、」
「おかしくないですか!」
と声が聞こえてきました。
ですが、ここのグループの素晴らしい!と思ったところは2回戦目をやる!となった時の切り替えが早いところ。
そして2回戦目ができることに
「やったー!」「よし!やろう!」
とポジティブな声掛けができていたところ。
そういった声かけが自然にできていたところにグループの強さを感じました。
1回目の計測では、一番高く積み上げたグループの記録は127cm!
紙を折る人、積む人、支える人、それぞれの役割があり、積極的にコミュニケーションを取っていました。
2回戦目では、1回戦目での反省を活かし、
形を変えるグループ、場所を変えるグループ、形は同じだけど積み上げ方を変えるグループ、同じ方法で高く積み上げられるように注意をより払うグループ。
それぞれがそれぞれの工夫をしていました。
計測の結果を見てみると、ほとんどのグループは2回目の方が高く積み上げられているという結果に!
一番高いグループは150cm超え。
途中で倒れてしまっても誰かを責めたりせず、険悪な雰囲気になることなく、楽しそうに、真剣に他者と協力しながらより良い結果に近づけるように動いていました。
グループワークに挑戦!〜5分間で、仲間と合意形成するには〜
ペーパータワーを行った翌週の探究授業では、
進行、タイムキーパー、書記、発表者、参加者
の役割を割り振りからスタート。
提示されたお題にそって議論をし、導き出した結論を全体に向けて発表しました。
それぞれのグループを見てみると発表者の役割は人気が少なめ。
タイムキーパー、書記が人気な印象を受け、時間ギリギリまで話し合っているグループも見受けられました。
一回目のテーマは「無人島に2つ持っていけるなら何を持っていくか。」
話し合いの時間が始まると、考えるグループとどんどん意見を共有するグループがありました。
ある進行の生徒は一人ずつ順番に共有できる流れを作り、書記の生徒はそれぞれの名前とアイディアを書いており、全員の意見が受け入れられている、と感じ取れるような工夫ができていました。
また、絵を描いたり、囲ってみたり、意見を書くだけではなく、分かりやすく伝わるような書記の取り方をしている生徒がいたり、それぞれに工夫が見られました。
2回目のテーマは「AIがある社会でどんな職業が残るか。」
1回目と役割を変えて、話し合いが始まりました。
このテーマで面白いな、と思ったのはいくつかのグループでは具体的な職業を挙げた後に抽象化させていたこと。
例えば医者、警察官、教師、消防士が挙がった時には公務員とまとめていたように、それぞれの具体例から共通項を探し、抽象化することが自然とできていました。
2回目の全体発表は時間が足りず、3グループのみの発表になりました。
「発表してくれるグループはいますか?」
「はい!!」
役割分担を見ていたからこそ、あまり手が挙がらないのでは、、と思っていましたが、そんな予想とは裏腹に自主的に挙げてくれました。
「緊張したけど挙げた!」と話してくれ、その生徒にとって緊張という壁を超えられた瞬間だったのだなと感じました。
さいごに
両日合わせて、他者と協働したからこそ達成できたこと、協働したからこそ難しいと感じたこともあるのではないかなと思います。
協働するということはより多くの視点や助けがある反面、自分の考えが全てではなくなります。
だからこそ難しく、面白いのですが、それをこのアクティビティの中で練習できたことで、地域に出た際に、地域の人とも話し合いや相互理解、協働が行われると良いな、と思います。