初めまして!
初めまして!
6月より着任しました、一般社団法人未来の準備室に所属しております石川町高校魅力化コーディネーターの金子理咲です。
5月までアメリカのウィスコンシン州にある大学にて国際学を専攻しており、主に社会や文化について勉強をしていました。出身は埼玉県で、福島に住むのは初めてです!
と、自己紹介をするとよく頂く質問があります。
どうしてアメリカに?
どうして福島に?
本当にここでいいの?
もしかしたらこれを読んでいる方も「どうして?」と思っているかもしれません。
これらは一貫して、「知識と経験が豊富なおばあちゃんになりたい」という将来の夢があるから、です。
1. どうしてアメリカに?
→環境があっていると思ったから。
中学生の頃、ウエディングプランナーになりたいと思った事がありました。
その夢を母に話すと
「英語が話せた方が国際結婚にも対応できるんじゃない?」
と返ってきました。
英語は得意でも好きでもありませんでしたが、妙に納得した私は留学ができる高校に進学を決め、人生で初めての留学を経験しました。期間は1年間で、知り合いのいない知らない土地に、コミュニケーションが辛うじてできるかな?というレベルの英語力で生活が始まりました。携帯もメールも学校の規則で禁止されていたので、家族の声を忘れてしまうくらいの長い期間でした。
ホームシックや差別、コミュニケーションが上手くできなかったからこその問題や悔しさがあったり、全てが楽しいとは言い切れる留学ではありませんでした。
ですが、初めて授業が楽しいと思えたり、英語面の成長の他にも内面の成長、特に人見知りの克服が実感でき、私が成長しやすいのは海外にいる時なのではないか、と留学を終えるまでに思うようになりました。
帰国後、先生方や先輩方から進路についてを聞いたりする中で
「アメリカの大学は入学するのは簡単だけど、卒業するのが難しいらしいよ」
と嘘か本当か分からない事を教えてもらいました。
その噂のようなものを鵜呑みにして、厳しい環境に身を置いた方が成長できる、と自負していた私は海外大学の中からアメリカの大学に行こうと決めました。
進学してからは現地の友人に
「どうしてウィスコンシンなの?」
と、聞かれました。これはまた別の機会にお話ししようと思います。
2. どうして福島に?
→思い描いているビジョンについて学べると思ったから。
大学在学中に、個人の力では変えることができないアイデンティティを元にした差別や、アイデンティティ、経済、地理、教育的な要因などから社会的地位と呼ばれるヒエラルキーが生まれ、優劣が生み出され、その社会的地位がもたらす機会の不平等や不公平さについて学んだ時に、「悔しい」と思いました。自分でそこから脱するのは難しく、将来の選択肢が狭まってしまうからです。
アメリカは日本よりも人種や文化の面で多様です。人種別に人口の割合を見てみると、ホワイトが6割ほどを占めるものの、4割はヒスパニック、ブラック、アジア人等が占めます。多様であるからこそ、区別がしやすく、組織的で、人種問題も可視化されやすいのではないか、と考えました。
では、日本ではどうでしょう。日本にも人種差別はあります。気がついていないだけで無意識に攻撃していることだってあります。しかし、人口として見た時にアメリカほど多くないために、人種差別と話が出た時に当事者として考えたり、話し合ったり、という機会が少ないように思います。日本にいるからこそ考えられる人種差別の視点があると思いますし、いつかはそれについても動きたいと思っています。ですが、日本はどうだろう、と私自身で考えた時に、経済的、教育的、地理的、環境的といった、個として見た際に可視化されていない要因、生まれ持ったものではないけれど、生まれ育った環境による社会的地位を元にした格差に最初に意識が向きました。
日本における日本人はマジョリティであり、私自身も日本人です。でも全員が公平さを手にはできていません。生まれ育った環境によって資源や機会が制限されてしまうからです。そういった時に、生まれ育った環境関係なしに、将来について冒険できる、今いるコミュニティに居づらさを感じていても、それだけが社会じゃない、ということを冒険できる場所、あるいは逃げ場を作りたいと思いました。ですが、理想像を考えた時に、沢山の課題点が見つかり、どうクリアすればいいのか。どうその理想像まで持っていけばいいのか。中身が詰まっていませんでした。
そんな時に白河にあるコミュニティ・カフェEMANONに視察で行くきっかけがありました。対象は違いますが、私の理想像がそこにはあり、羨ましいと思う細部までのこだわりが詰まっていました。ここで勉強できたらヒントが得られるのではないか、と思い、一般社団法人未来の準備室に履歴書を送り、採用を受け、6月より福島に移り住むことになりました。
>https://note.com/junbishitsu/n/nfcaee07924a9
3. 本当にここでいいの?
「今できるベストな選択です」と私自身は胸をはれます。
業務の面では足りないところが多く、悔しいと思いながら毎日を終えている状態にありますが、1日でも早く貢献できるように沢山学びたい、というモチベーションは変わりません。
今はまだ、学ぶ、という段階ですが、石川町高校魅力化コーディネーターというとても興味のあるお仕事を頂いたので、私自身から活動できるように精進して参ります。
知識と経験が豊富なおばあちゃんになるために、興味をもったこと、やりたいと思ったことを成し遂げられるように成長したい。
だからこそのこれまでの選択であり、これからの学びや選択に繋がります。
4. 高校魅力化コーディネーターって?
生徒の「〜したい」が掻き立てられるような環境づくりを高校魅力化コーディネーターが学校と地域を巻き込んで行い、「できる」という成功体験を増やしていけることが私の考える高校魅力化コーディネーターであり、現在の目標です。
'"できる"という成功体験'と書きましたが、成功して終わる、ということではなく、失敗しても、”挑戦できた” ”ここまでできた” ”悔しい” ”課題点ここだったな” と「〜したい」が「実行に移せたからこそ得られた自分だけの学びを得られる体験」を私は成功体験と考えています。
失敗したら落ち込みます。できることなら失敗したくないです。人を傷つけたり、不快にさせてしまう失敗はよくないです。でも、失敗しないと得られない学びがあり、失敗する経験はこれから社会で生きていく上での一番の味方になれると信じています。そしてその失敗が知識と経験を得ることの大きな一歩になるのです。
着任して2週間が経ちました。高校2年生の探究授業で自己紹介をした際、予想していたよりもアクティブにクイズに参加してくれたり、昇降口に向かっている時に「こんにちは」とベランダから声をかけてくれた生徒がいたり、芯が強い生徒、面白い考えを持っている生徒、シャイな生徒、これからもっと生徒のことを知りたいな、と興味がより刺激された2週間でした。生徒について理解を深められるよう、これからを過ごしていきたいと思っています。